宝塚市に254億円寄付されたことが話題になっています。
この寄付を行ったのは、宝塚市在住の元会社役員・岡本光一さんと明美さん夫妻です。
寄付金は、老朽化が進む宝塚市立病院の建て替えと医療機器の購入資金として活用される予定です。宝塚市は、この寄付金の一部を基金として積み立て、新病院の建設や医療機器の充実に充てる方針を示しています。
どんな人物なのか調べてみました。
キーエンス創業期の幹部
岡本氏は、現在世界44カ国・200拠点で事業を展開するキーエンスの創業期に入社し、3人目の社員として技術開発に携わった人物です。同社は、計測機器や情報機器、光学顕微鏡などを手掛ける企業であり、国内企業の時価総額ランキングでは常に上位に位置しています。
同社の業績は、岡本氏が在籍していた時代から右肩上がりに成長を続け、1994年には株式上場を果たしました。その後、岡本氏は「技術者としての仕事に集中したい」という思いから同社を退職しました。
しかし、その間に優秀な技術者として評価され、ストックオプションを得ていたことが、岡本氏の莫大な資産形成の要因となりました。現在もキーエンスの大株主であり、保有株式の時価総額は1,800億円を超えるとも言われています。
ボランティア活動と社会貢献
岡本氏が社会貢献に関心を持ち始めたのは、1995年の阪神・淡路大震災がきっかけでした。被災地でのボランティア活動を経験し、福祉や地域コミュニティの重要性を実感したと言われています。
その後、2002年には私財を投じて財団法人を設立し、福祉施設の運営を開始しました。過去にも約37億円を投じてボランティアセンターを開設するなど、社会貢献活動を継続してきました。
岡本氏は、「財を成したのは自分の能力だけではなく、会社や社員の力があってのこと。個人だけで占有するのは違う」と語っており、今回の寄付もその理念に基づいたものです。
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